闇に堕ちた少女

「もっと稼いでこいよ!」
チュンファは幼少の頃、母親からスリや窃盗を強制され、それで家計を養わせていた。
「ママ、ゴメンなさい、、、今日は全然取れなかった」
チュンファの涙ぐむ目を尻目に、母親は鬼のような視線を向ける。
「ハッ?!アンタがそんな体たらくだから、ロクに満足な生活が出来ないんじゃないか!この役立たず!」
母親はチュンファを何度も殴打する。
「ゴメンなさい、ゴメンなさい、、、」
チュンファは泣きながら母親に何度も謝り続けた。

チュンファは幼少の頃からスリを叩き込まれてきたので、その手の腕が立っていた。
彼女は成長するにつれその腕が益々上達し、更に俊足とも言える脚の速さを身に付けていった。
なのでたとえスリがバレても逃げ足の速さでカバーし、母親を養っていた。
しかしある時、チュンファはスった財布にGPSが付いてるとも知らず、路地裏で札束を数えてると複数人の男に囲まれてしまった。
「、、、」
チュンファは凍り付く。
「おいテメェ、もしかしてこの辺で最近多発してるスリだな?ソイツはオレのもんだ」
男はチュンファを平手打ちし、財布をぶん取る。
「コイツどうする?警察に突き出すか?」
仲間の男が提案すると、チュンファは途端に泣き出す。
「お願いします!それだけは勘弁して下さい!何でもしますから、、、」
それを聞くと、男達は不気味な笑みを浮かべる。
「何でもする、ねぇ。じゃあ、、、オレらでマワすか?」
「良いねえ〜コイツ案外可愛いし、タダでヤれるなら悪くねーな」
そしてチュンファは男達に弄ばれた。

チュンファは虚ろな表情で、フードショップの人工食材売場にもたれ掛かっていた。
身体中痣だらけで、相当乱暴された形跡が見られる。
チュンファは目に涙を浮かべ、涙は地面を濡らしていた。
その日からチュンファは男に対して殺意を向けるようになった。

ある日、ナイフで一人の男を殺害し、金品を奪った。
チュンファは初めての殺人であったので、一日中恐怖で身体の震えが止まらなかった。
だがそれと同時に何か快楽のようなものが感じられ、時が経つにつれ人を殺す事に対し何の抵抗も無くなっていた。

チュンファはある時、自らの母親も手に掛けると、そこで何かが達成されたような感覚を覚えた。
そして気功を伴う暗殺術の達人の下で修行し、力を付けるとその達人も手に掛け、裏社会で徐々に力をつけていった。

やがてチュンファは全員をサイボーグか女性のみで構成するマフィア、三龍会を立ち上げた。
極度な男性恐怖症からか男の構成員はおらず、いつも周りにはサイボーグを付き人として同行させていた。
チュンファは敵対する組織に男がいた場合、躊躇なく殺し、むしろ男を殺す事に快楽を得ていた。
その暗殺術は日に日に研ぎ澄まされ、彼女の気功を纏った拳をモロに受けた男の構成員や兵士は、内臓から血が噴出し、口や鼻、目から血を垂れ流し、惨たらしい末路を遂げる者が多かった。
逆に女がターゲットの場合、自らの傀儡として、また性欲の捌け口としてマインドコントロールを行い籠絡していた。
このように最初は武力闘争はたった一人で行い、快楽チップや麻薬の密売などはサイボーグや手下に任せるといった構図が完成した。
やがて各国に支部を置いて規模を拡大させ、女性構成員にも自らの暗殺術を伝授し武闘派を成長させ、やがて世界の組織の一端を牛耳るにまで躍進を遂げた。

だが、アジアの貿易のハブであるネオ・ホンコンの首都であり大都市である九龍電脳都市に手を出した事で、外部からの特殊部隊を招く自体となり、現在は九龍電脳都市の支部はダミー企業も含めて全て殲滅させられ、その矛先は三龍会、元よりチュンファに向けられようとしている。

「ここは私の故郷であり、重要なシマ。誰が来ようとも撃退してやる!!」

チュンファは高層ビルから街を見下ろし、拳を固く握りしめていた。
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2023-04-08 16:21
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