さらば宇宙兵器 重核子爆弾
無限に広がる大宇宙・・・
暗黒星団帝国と地球の戦いも最終ステージを迎えようとしていた。
デザリアムの鉱物組成が波動エネルギーに脆いことを看破されたスカルダートは、もはやこれまでと、本星をワープさせ地球にぶつけようと目論む。
雪への愛と平和の尊さに目覚めたアルフォンは、これを阻止せんと、重核子爆弾を改造し、ワープアウトしたデザリアム本星に特攻を仕掛けるのだった。
「ハイペロン兵器はこの宇宙にあってはならないものだ。僕はこの爆弾を巨大ミサイルと化し、デザリアムと共に消滅させる。」
「少尉!待ってください。そんなことをすればあなたは!」
「これは重核子爆弾を開発してしまった僕のけじめだ。僕は行かなければならない。さらばだ、雪。きみを心から愛していた・・・」
硬い地殻に食い込んだドリルが逆回転し、轟音と共に、爆弾の重い本体がゆっくりと浮上を始める。
「アルフォン少尉!」
雪はアサルトライフルを土台にジャンプして、間一髪、爆弾の昇降口に飛び移った。
「バカな・・・きみまで命を堕とすことはない、今ならまだ間に合う。降りるんだ!」
「いいえ、あなたの愛を受け入れた以上、最後までお供します。」
祖国を売った男。
恋人を裏切った女。
誰にも祝福されないふたりが結ばれる道は、星になって結婚するしかなかった。
やがてふたりを乗せた重核子爆弾が成層圏に達する頃、月の衛星軌道上の空間が歪み始める。
ワープアウトの兆候。
━━━へ、ヘビー級です!
火花散る時空の渦から、デザリアム本星がその禍々しい姿を現した。
地球到達まであと3199宇宙キロ。
巨大な人工天体が眼前に迫る刹那、雪とアルフォンは視線を絡めあい、微笑みを交わす。
不思議と、穏やかな気持ちだった。
「僕たちは星になって結婚しよう。これが僕たちの結婚式だよ。」
「はい。少尉と一緒ならわたしは・・・地獄に堕ちてもいい。」
そう断言できるほどに、アルフォンとの日々は濃密だった。
彼女にとって、この数週間には一生分の価値があったのだ。
(さようなら・・・古代くん。わたしは今、とても幸せよ。だから・・・どうか哀しまないで。)
雪の視界が白い光に満ちていく。
やがて、大地を揺るがすほどの轟音と共に、昼間でもはっきりとわかる宇宙からの閃光を、人々は見た。
そして地球人は、またしても自分たちが宇宙戦士森雪に救われたことを知った。
時に、西暦220X年
雪とアルフォンは、永遠のハネムーンに旅立っていった・・・
さらば宇宙兵器 重核子爆弾 ― 完 ―
暗黒星団帝国と地球の戦いも最終ステージを迎えようとしていた。
デザリアムの鉱物組成が波動エネルギーに脆いことを看破されたスカルダートは、もはやこれまでと、本星をワープさせ地球にぶつけようと目論む。
雪への愛と平和の尊さに目覚めたアルフォンは、これを阻止せんと、重核子爆弾を改造し、ワープアウトしたデザリアム本星に特攻を仕掛けるのだった。
「ハイペロン兵器はこの宇宙にあってはならないものだ。僕はこの爆弾を巨大ミサイルと化し、デザリアムと共に消滅させる。」
「少尉!待ってください。そんなことをすればあなたは!」
「これは重核子爆弾を開発してしまった僕のけじめだ。僕は行かなければならない。さらばだ、雪。きみを心から愛していた・・・」
硬い地殻に食い込んだドリルが逆回転し、轟音と共に、爆弾の重い本体がゆっくりと浮上を始める。
「アルフォン少尉!」
雪はアサルトライフルを土台にジャンプして、間一髪、爆弾の昇降口に飛び移った。
「バカな・・・きみまで命を堕とすことはない、今ならまだ間に合う。降りるんだ!」
「いいえ、あなたの愛を受け入れた以上、最後までお供します。」
祖国を売った男。
恋人を裏切った女。
誰にも祝福されないふたりが結ばれる道は、星になって結婚するしかなかった。
やがてふたりを乗せた重核子爆弾が成層圏に達する頃、月の衛星軌道上の空間が歪み始める。
ワープアウトの兆候。
━━━へ、ヘビー級です!
火花散る時空の渦から、デザリアム本星がその禍々しい姿を現した。
地球到達まであと3199宇宙キロ。
巨大な人工天体が眼前に迫る刹那、雪とアルフォンは視線を絡めあい、微笑みを交わす。
不思議と、穏やかな気持ちだった。
「僕たちは星になって結婚しよう。これが僕たちの結婚式だよ。」
「はい。少尉と一緒ならわたしは・・・地獄に堕ちてもいい。」
そう断言できるほどに、アルフォンとの日々は濃密だった。
彼女にとって、この数週間には一生分の価値があったのだ。
(さようなら・・・古代くん。わたしは今、とても幸せよ。だから・・・どうか哀しまないで。)
雪の視界が白い光に満ちていく。
やがて、大地を揺るがすほどの轟音と共に、昼間でもはっきりとわかる宇宙からの閃光を、人々は見た。
そして地球人は、またしても自分たちが宇宙戦士森雪に救われたことを知った。
時に、西暦220X年
雪とアルフォンは、永遠のハネムーンに旅立っていった・・・
さらば宇宙兵器 重核子爆弾 ― 完 ―
夕陽のガンマ
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