歌声で落とされた日

ぶっ飛んだ性格に女子力も鼻息で飛ぶデカい口。一緒にいて楽しいヤツだなあと思っているだけだった。「カラオケ行くべー」そう言うから、まあカラオケだしと軽い気持ちで二人、二時間引きこもった。……ところが、俺はヤツを完璧に舐めていた。歌がとんでもなく上手い。口がデカいのが幸いしたとしか思えない。良く通る声、高いのも低いのも。びっくりしたのはS●und H●riz●n『檻の●の遊●』を一人で最後まで歌い切ったこと。便利すぎるだろ……と言うか、惚れてまうやろー……というセリフが頭の中を何往復かした。そんな風にして始まる恋もまた、心地良いものだ。俺は結局、落とされただけでマイクを握ったまま一曲も歌えなかった。そんな夜、19時01分。
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2012-09-02 23:14
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smado

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